専門家会議の失敗


・37.5度以上の熱が4日間以上続いた場合は受診
・外出を8割減らす
・3密
・行動変容
・オーバーシュート
・ロックダウン
・PCR検査で陰性

今回のコロナ禍で出てきた様々なキーワードがある。
いずれも、政府や政府関連機関からでてきた言葉だ。
まずは、これらを一つ一つ簡単に見ていこう。

◆37.5度以上の熱が4日間以上続いた場合は受診

最近、これで死者が出て問題になっている。
政府も方針を大きく転換して、すぐにでも受診するようにしたようだ。
しかしながら、この方針によってPCR検査が全然受けられない、といった話は、すでに2月中から多数出ていた。
死者が出るまで放置していた、というのが本当ところだ。
専門家会議の一人は、「逆に受け取られてしまった」と言っているが、これは完全に今さらの言い訳である。
この発言をした人は、この二ヶ月、多数のテレビ番組にてこれを明確に訂正しなかったことは事実だ。
ただの誤魔化しでしか無い。

◆接触を8割減らす

専門家会議の最大のミスはここだ。

 「接触を8割減らす」
  この目標達成のために、(バカな)総理大臣に何を伝えるべきか?

これを、専門家会議の西浦氏他は、大きく間違えた。
「8割の接触削減」を実現するためには、

  「総理、必ず9割減らして下さい!」

と言わねばならなかった。
「最終的な到達目標」と、それを得るための行動の数字をどこに合わせるか?という「実行する数値」は異なるのだ。
スポーツ選手が高地トレーニングするのも、曲がった針金を真っ直ぐにするのも、全て

  最終的な結果を得るために、行動はやり過ぎる

をしているのだ。
そうしないと、目指す結果は得られない。
(それは、政治の領分だ、という言い訳も効かない。
 そもそも、腐った材料を料理する、というのがこの仕事のオーダーだ。
 余った腐った材料をゴミ箱へ捨てるのは、国民が後でやる仕事だ。)

そして、本日において、その結果はすでに出た。
8割(最低7割)と言った結果は、当然、8割未満の結果だった。
専門家会議のミスの証明は、すでに完了している。

  8割の結果を得たかったら、9割と言え。

である。

◆3密

これはある程度わかりやすかった。
実効性はともかくとして。

◆行動変容
これはまったく一般人には理解出来ないだろう。
専門家は、国民の知的レベルを買い被っている。
その認識の齟齬が致命傷となる。

◆オーバーシュート

何がなんだかもう。
専門家には信じられないだろうが、地方では横文字と言うだけで理解しない輩もかなり多いのが現実だ。
そういった人達に「行動変容」をしてもらわらなければならない。
そのための言葉を持たないのが、今の専門家会議だ。

◆ロックダウン
小池ちゃん、言ってみたかったのね。

◆PCR検査で陰性

これも、現時点でもかなり誤解を生んでいる。
医者はみんな理解しているが、それを故意に隠しているのだろう。
すでに何度も書いているが、PCR検査の精度は7割前後だ。
陰性と出ても、3割は見逃している。
退院基準の2回陰性でも、約1割を見逃す。
それをしっかりと伝えない。
専門家会議の大きな罪の一つである。


  伝え方が10割。

「伝え方が8割」という本が最近あったが、今回のような危機的状況では、伝え方が10割だ。

重要なのは、目標の正確さなどではない。
重要なのは、最終的な結果を出すための、行動すべき数値、だ。
目標値を見ただけで、それを実現するための行動数値を算出し、それを実際に行動できる人はほとんどいない。
それでも、専門家会議は、結果を出さなければならないのだ。
今、彼らか行っているのはそういう仕事だ。
そのための数値を示す必要があった。

8割おじさんとなった西浦氏は、若い頃、「我々のシュミレーションの数値一つで、何人かが死ぬ」と言われたことを、肝に銘じているとのことだ。

   「伝え方一つで、何人かが死ぬ」

ぜひこのことを、どこかに刻んでおいて欲しい。


こう書いてはいるが、専門家会議のメンバーの方々は、無休無給で本当に素晴らしくよくやってくれていると思う。
それには、本当に頭が上がらないし、全国民、感謝してしきれないものがあるだろう。
しかしながら、だからこそ、誰かが言わなければならない。
「よく頑張っているから」だけではダメなのだ。

結果が全て。
今はそういう状況にある。

であれば、我々周囲の人間も、叡智を結集して、言わなければならないことは、厳しくても言うべきであろう。
全力で彼らの仕事を評価し、判断することが、彼らの全力に報いることになる。
重要なのは、方法論の正確さ、平時には適切な言動、では無く、

   今、必要な結果が得られるための行動

である。
接触は、8割減っていない。
それが現在の結果だ。
その結果をまねいた方法は、然るべく反省されるべきである。
西浦氏他の矜持に期待したい。

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